あああーっす

すんごいことを書く。

冬に逆戻り、東北探訪

身が震える寒さが引きはじめ、近ごろ京都ではあたたかな日が続き、すぐそこに迫る春を感じるようになった。三寒四温である。纏ったコートを脱ぐこともしばしばあった。
そんな春の兆しから逃げるように私は東北へむかった。
旅の目的は、旧友と会うことである。互いに地元を離れており、長期連休をのぞいてはなかなか会う機会がない。その連休ですら、各人の都合で帰省期間があわずに、全く食事をすることもかなわない時がある。さみしいものだ。今年の冬休みがまさにそれで、短い休暇で予定が合わずに、皆各地方へもどってしまった。
そこでこの春休み、予てより計画をしていた東北探訪を実行するに至った。地元を離れた後も定期的に交流のある友人の二人が仙台にある大学に通っている。度々、私はほとんど冗談で二人に会いに東北へいくと言っていた。二人も冗談としてきいていた。まさか実現するとは。

鉄道好きにとって長距離旅行の足は、決まって夜行列車である。夜行列車は移動する宿泊施設であり、睡眠をとりつつ目的地へ近づくことができる、大変便利でお得な乗り物だ。かつては各地へむかう寝台列車が、毎夜旅人の夢を乗せて走っていたものだが、効率化の時代の波に溺れ、今ではすっかりその姿を消してしまった。
残った列車の中に、ムーンライトながらというものがある。東京から岐阜県大垣市を運行する、夜行列車である。ながら号の種別は快速列車であり、500円ほどの指定券を持っていれば青春18きっぷでも利用ができる。これが鉄道ファンには大人気で、春夏冬の休暇時期になると毎日満員となる。夏冬には幕張を目指す集団も見られる。
それが今回は、どういうわけか年配の方が多く見られた。老老介護列車である。窓際を指定された私のとなりにも老人が座っていた。老人は席につくなり持ち運びの枕を首にあて、アイマスクをして寝はじめた。これでは夜中トイレにいけない。老人はなぜかよくどこかへ消えたが、いつ戻ってくるかもわからないので、私が席を立つことはなかった。終着駅まであと数分というところで、老人はいなくなった。
東京駅からは東北本線を北上する。関東以上は冬の空である。雲はちぎれ、風はかわいていた。とちゅう、雪が降っていることもあった。仙台におりると、寒さと大風に迎えられた。仙台はまだ冬だった。
駅で友人と再会した私は、駅前サイゼリヤで昼食を取った。牛タン定食1600円の店は、学生には高嶺の花である。しかし、結局サイゼリヤで1500円分の豪華な食事をとることとなってしまった。f:id:dan0714:20150325103226j:plain


続く