あああーっす

すんごいことを書く。

東北探訪2

どこへ行くにも動物は基本的な生活から逃れられない。腹が空いたら食べるし、食べるためには買い物をする。どんなに観光地をめぐろうと、これだけは避けることができない。ならば逆に生活に特化しようと、今回の旅行では目的地に観光地を設定しないことにした。

〜連続ドキュメント・南東北のくらし〜
①仙台駅近辺でお買い物
サイゼリヤを出た我々は、友人の一人(以下A)の買い物に付き合うべく、ビルに入った書店に寄った。特に探している本のない私と友人(以下B)は、それぞれの興味ある分野の棚の近くをうろうろとしていた。ありがたいことに通路には休憩用の椅子が置かれており、そこで読書をすることができた。私が読んでいたのは自前の本だが、他にも同じように座って読書をしている人が幾人かおり、もしかすると彼らは店の本を読んでいたのかもしれない。もうひとり用事のないはずのBは、ブラームス交響曲のポケットスコアを購入していた。裏切られた気分だ。
次に向かったのは、大手生活雑貨チェーン店である。Aは、翌日に控えたサークルの送別会で先輩に贈るプレゼント、また自宅用のグラスを探すとのことであった。熟考の末、プレゼントは他店で買うことになった。グラスはというと、上階にある別店で、透いた深青のものを見つけ、「古代の王族感がいい」という訳でそれを選んだ。水銀でも飲むのだろうか。
Aは料理家である。今回の東北旅行の目的のひとつが、Aの料理を頂くことであった。相当凝ったものを作るらしく、それに見合う食材探しがはじまった。ビーツ(赤蕪)を求め、結局二日間何軒かの食料品店を奔走した。この日は店員に試飲のカフェ・オ・レを貰い、本来必要のないものを選んでまわった。私は肴にカチョカヴァッロを買った。カチョカヴァッロとは、チーズの一種で、カチョはチーズ、カヴァッロは馬の意である。口の部分を絞った袋の様な状態で作られ、その様子が馬に乗せた荷物に似ていることからそう名付けられた。非常に弾力のある食感が特徴で、日本人好みとも言えるだろう。焦げ目がつく程度の加熱調理をして食べるのがポピュラーだが、とろけるチーズを加熱調理しても同様の味・風味は味わえる。
この後、もう数件めぐり、市バスに乗って彼の家へたどり着いた。
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つづく